短期滞在者が中国で銀行口座を開設 | 2019年

前回、短期滞在者が中国で銀行カードを作るでご紹介した記事の続編となります。春節明けに仕事で合肥に行ったついでに銀行カードを作りに銀行に行きました。

準備

前回、ビザなし、工作証明書なしという不利な状況で、ほとんどの銀行で全く取り合ってもらえませんでした。唯一、合肥市内の徽商银行でカードは作れたものの、网上支付が使えないという問題があり、準備をして再挑戦することにしました。滞在先は以前と同じでホテルです。

今回は、以下のものを準備しました。

・携帯電話(中国SIM)
・パスポート
・短期滞在ビザ
・ビザ申請時の招待状

マイナンバーカードがないとだめとか、工作証明書がないとだめという情報もありましたが、これらは準備しませんでした。

銀行巡り

まずは手始めに、上海駅の近くの浦東発展銀行で開設可否だけ確認しました。すると、「上海で仕事をしてないとだめ」とあっさりとお断りされてしまいました。気落ちしたまま、滞在地の合肥に移動しました。

平日は仕事をこなして、土曜日に銀行巡りをすることにしました。困難が予想されるので、ホテルの白タクを雇うことにしました。予定した行き先は、中国メガバンクの工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、それでだめなら、光大銀行、平安銀行に行く予定でした。

当日、通訳をしてくれる中国人が不在とのことで、日本語が全く話せない白タクの運転手と行くことになりました。

中国工商銀行

まずは工商銀行に行きました。タクシーの運転手が受付の人に話すとあっさりと受付まで通されました。パスポートにビザがあったことが幸いで、すぐに作れそうな雰囲気でした。書類に記入しながら、いろいろと質問をされました。仕事をしている場所、滞在先などです。「工作証明書はあるか」と聞かれましたが、ないので現地法人が作ったビザ申請の招待状を見せました。どうやらそれでOKだったようです。途中、日本の税金番号について聞かれているようでしたが、聞き取りがうまくできなくて、首をかしげていると、なくてもよいということになったようでした。マイナンバーの話がとうとう出てきたということだと思います。微信、支付宝で使うこと、ネットバンキングを使うことをきちんと説明しました。

銀行員が何度も何度も、書類をスキャンしていました。なぜか都市名を間違えて入力されていたりして、指摘しました。途中、姓と名の順番について、クレジットカードと同じように、名と姓の順にしてほしいと話をしたのですが、「ICカードにないから問題なし」ということになり、姓・名の順で登録されてしまいました。これがあとで問題になることになります。

ひたすら手続きを待つこと、2時間。ようやくカードが完成しました。早速、ATMに通してみて、使えることを確認しました。ホテルに戻って、微信、支付宝に登録できることも確認しました。ネットバンキングも問題ありませんでした。

その後、銀行から電話がかかってきました。聞き取りが不安だったので、知人の中国人にかけなおして話を聞いてもらいました。外国人がカードを作るのは、こちらの銀行では初めてとのことで、時間がかかったことを謝っていたとのことでした。中国人が少しのミスで謝ることはあまりないので、よっぽど不手際があったと感じていたのでしょう。

苦労しましたが、ようやく中国メガバンクの銀行カードを入手しました。当初の目標も達成したことと、あまりにも時間がかかったこともあり、他の銀行へ行くことはしませんでした。

中国建設銀行

銀行カードは一枚あれば微信、支付宝にお金を入れるには困りません。でも、突然、口座が停止などなってしまうと、入れたお金が出せないなどとなりかねないので、頑張ってもう一枚作ることにしました。翌日、最寄の中国建設銀行の支店に行きました。

この日は、中国人の同伴者は誰もおらず、一人で行きました。もともと外国人が少ない中国の中でもさらに外国人が少ない土地で、片言のでたらめ中国語だけを武器に中国メガバンクに乗り込みました。以下そのやり取りです。

我是外国人。我要开帐户。

(私は外国人、口座を開きたい)

言葉が通じないことも考慮して、メモ書きも見せました。すると、「他の銀行のカードがあれば出せ」と言われました。前日に作ったばかりの工商銀行のカードを出すとそれを、発券機に当てて受付票を出しました。その後、受付前にいろいろと質問されました。「工作証明書はあるか」と聞かれたので、ビザの招待状を出しました。働いているところを聞かれたので答えると、「証明書と働いているところが違うから、工作証明書が必要」と言われました。「ない」と答えると、「IDカードはあるか」と聞かれたので、「今はないけど、ホテルにある」というと、「それを持ってまた来て」と言われました。

あと一歩のところでしたが、すぐには作れませんでした。そのままホテルまで戻ってIDカードを持って1時間後にまたやってきました。今度はそのまま受付に座らされました。ほとんどの内容は、銀行員が書いてくれるので、自分は座っているだけで、時々、署名をしたり、ボタンを押したりするだけでした。

すんなりいきそうでしたが、途中で問題が発生しました。「身分証明書はあるか」と聞かれたので、「日本人は身分証明書はない」と答えました。何となく、マイナンバーカードのことを言っているのはわかるのですが、実際には銀行員も詳しく知らないのと、あまり出したくないので、押し切ろうとしました。途中、電話で日本語のわかる銀行員と話をして、身分証明書がないことは説明してもらいました。時間をかけても仕方がないと、こちらから「納税者番号のことか」と聞きました。そうだということだったので、日本の家族に電話してマイナンバーを聞き取って知らせました。

移動時間を含めると3時間かかって、ようやく銀行カードを作ることができました。これで、中国メガバンクの2枚のカードが手に入りました。

その後、ホテルに戻って、微信に登録しようとして、問題に気づきました。建設銀行は日本人のことを知っているようで、名、姓の順で登録していました。工商銀行は、知らないので姓、名の順で登録していました。先に登録したのが工商銀行だったので、実名認証が姓、名となってしまい、建設銀行のカードが登録できません。さらに悪いことに、工商銀行のカードを削除しても、実名は変更できず、変更しようとすると、「アカウントを閉鎖するのでお金を全部出して」みたいなメッセージが出ます。通常、実名を変更するなどありえないことなので、納得の処理なのですが、これには困りました。後日、再度銀行に行き、手続きをしてもらいました。手続きが大変そうで、ほとんど口座を作り直すのと同じ様な手順を踏みました。ただ、建設銀行は自分で書類を書く必要がなく、銀行員が署名以外はすべて書いてくれるので、手続きが楽と言えば楽です。建設銀行が言うには、「ビザの名前が名・姓の順なのでこの順で手続きをした」とのことで、ごもっともな言い分です。本当に申し訳ない気持ちでしたが、他に合わせるということで、お願いして姓・名に変更してもらいました。

姓・名の順番が異なると以下のようなメッセージが表示されます。

実名を変更しようとすると、さらに危険なメッセージが表示されます。

中国郵政儲蓄銀行

たまたま合肥のホテルの近くに気になる銀行があるので、銀行口座が作れるかどうか試してみたくなりました。今回も、一人で行きました。日本の郵便局にそっくりな雰囲気の銀行です。調べてみると、郵便業務もやっていて、郵便局そのものです。銀行としては中国四大銀行の次の規模の中国で5番目に大きな銀行とのことでした。

この銀行、土曜日にもかかわらず8:30から開店していました。規模がいかにも郵便局という雰囲気の小規模の支店です。中に入って、外国人で口座を開きたいと話すと、「この支店では作れないけど、ここに行けば作れる」とメモ用紙を渡されました。中国だと「そんなのできない知らないよ」とか言われそうですが、意外にも銀行は親切です。百度地図を見ながら1.5km先の支店に移動しました。先ほどの支店と違って、そこはびっくりするくらいの大規模な支店でした。

口座を作りたいことを伝えると、何も確認せずにあっさりと受付票と申し込み用紙をもらいました。すんなりいきそうな雰囲気でしたが、そこからが長い道のりでした。受付に座ると、担当の女性は外国人の口座を作るのが初めてのようで、どこかに電話をして確認していました。そうこうしているうちに、他の客が増えてきて、「早くしろ」みたいなことを言い始めました。こちらは急いでいないので、あとでよいと伝えて、他の案内係の人と用紙を記入しました。その人が言うには、外国人の口座を作ったことはあるが、この支店にはほとんど来ないし、分かる人が今日は不在とのことでした。「明日の朝来てもらえないか」などと言われました。知人の中国人に電話しましたが、出てくれませんでした。取り合えず、いっしょに申込用紙を書きました。その後、追い返されると思いましたが、再度、窓口に並ばされました。規模が大きな支店にもかかわらず、窓口が1人しかいません。中国の銀行は機械化されているので、窓口に来るのは機械を使いこなせない老人か外国人しかいないので、どこも窓口は人が少ないです。電話をしながらいろいろと申し込み用紙に記入したり、データを入力したりしていました。分からなくて困っているようだったので、たまたま持っていた工商銀行の申し込み書類を見せました。それからはすいすいと進みました。同じ内容を入力すればよい状態になったからです。一つだけ注意したのは、名前の順を姓・名にすることです。そうしないと、私の場合は、Wechat、アリペイに登録できないからです。途中でそのやり取りの話が聞こえてきたので、順番を姓・名にするように必死に伝えました。

手続きに2.5時間程度かかりましたが、何とか銀行カードができました。時間がかかったのは銀行員が慣れていなかったためで、手続きとしては一番簡単でした。個人識別番号は登録しましたが、工作証明書もIDカードも要求されませんでした。ビザについても、確認はしていましたが、本当に必要だったのかどうかはわかりません。もしかしたら、この銀行であればビザがなくても口座が作れたかもしれません。

Wechat、アリペイの登録は問題ありませんでした。ところが、网上银行(ネットバンキング)で問題がありました。携帯アプリはインストールできて、登録もできるのですが、使うためにカードを追加するときに、身分証を要求されます。すなわち、外国人はそのままでは利用できないことになります。再度、銀行に行って確認しました。結果、外国人は使うことができないとのことです。銀行側が登録すれば済む話で、単に担当者が知らないだけかもしれません。ただ、微信に登録されていれば、お金の移動は出来るので、これ以上は追求しないことになりました。

身分証がない人は、この表示から先に進むことができません。

銀行巡り総括

クレジットカード1枚で運用していたWechatが今回の銀行巡りの結果、銀行カード3枚が追加されて、大変便利になりました。頑張ればまだまだ口座は作れそうでしたが、管理も面倒なので今回は3枚で作って終了としました。

日本人が中国で口座を作る手続きはかなり時間がかかります。半日みておいたほうがよいでしょう。幸いなことに中国の銀行は土日でも営業していますので、仕事が休みの午前中に行くことをお勧めします。何かあっても、午後までに対応すればその日のうちに口座を作ることができるはずです。「中国語ができなくても英語ができれば大丈夫」と思う人がいるかもしれませんが、中国では日本よりも教育の質にばらつきがあり、英語が通じない人もたくさんいます。少しでも不安があれば、知人の中国人を一人連れて行くことをお勧めします。

中国で短期滞在者が銀行口座を作ることは、確かに難しいことです。ただ、きちんと情報収集をして、手間を惜しまなければ必ず作ることはできます。最低でも以下は必ず用意しておきましょう。

・パスポート
・携帯電話(中国SIM)
・個人識別番号(マイナンバー)※カードは必要ありません。
・滞在先の住所

さらに以下があれば作りやすいです。

・ビザ
・工作証明書
・現地会社発行のIDカード

さらに、手続き時間短縮や間違い防止のために、他の銀行の申込書の写しがあるとよいでしょう。

中国で短期滞在者が銀行カードを作りやすい銀行は、大手銀行の中で外国人がほとんど来ない支店です。その支店で口座を作る最初の外国人であれば、書類が揃っていなくても担当者の裁量で作れる可能性がありそうです。

私の例が示すように、姓・名の順番が違うと微信、アリペイで使えません。登録する前までは、クレジットカードの順でないと登録できないと考えていましたが、クレジットカードと銀行カードは登録画面が異なり、同じでなくても問題ありません。実際に私は、クレジットカードは名・姓ですが、その次に登録した工商銀行のカードは姓・名で問題ありませんでした。その後の建設銀行のカードが姓・名の順だったため、問題が発生したわけです。複数銀行カードを登録使用と考えている人は、名前の順番を銀行にきちんと伝えましょう。私は工商銀行の担当者に10回くらい伝えましたが、伝わらず姓・名の順となってしまい、その後の手間となりました。この説明に関しては、知人の中国人に間に入ってもらってきちんとしたほうがよいでしょう。

その後のお金の管理方法

銀行カードがあれば、Wechatでお金を自由に移動することができます。いつサービスが停止されるかわからないWechatにお金を残しておくのが不安であれば、帰国後に一旦銀行にお金を移動しておくことをおすすめします。

まず残った現金を空港のポケットチェンジで、Wechatに入れます。

Wechatから適当に自身の銀行口座にお金を振り込みます。Wechatもそうですが、外国人が中国の銀行口座を維持するのはリスクがあります。なくなっても惜しくない金額ごとに分けるのがよいかもしれません。

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